海外で衝撃的なサービスが登場する予定です。
Industrial Inspection & Consulting社は、今後数週間以内にカードゲームのパックに封入されている特定のホログラフィックカードを識別するためにCTスキャン(コンピューターX線画像診断)技術を使用できるサービス、そしてそれを利用したカード鑑定サービスを開始すると発表しました。
同社によるとカードとフォイルのわずかな密度の違いから、ポケモンなどの形を抽出することで、未開封の状態でどのカードが封入されているかが判断できるようです。
行われたテストのようす
海外で最初に発売されたパック「Fossil」に収録されている「スリーパー」でテストが行われました。
「スリーパー」を他のカード数枚と一緒にパックにいれ、疑似的に未開封の状態を再現します。
その後CTスキャンを行うと….
うっすらと「スリーパー」の影が現れました!
比較すると下の画像のようになります。
その後に行われたテストでは「MカメックスEX」を特定することに成功しています。下の画像のようにBOX内のどの位置にあるかまで正確に把握することが可能です。
同社はその後近年発売されたパックであるTWILIGHT MASQUERADE(36パック入り)や、ポケモンカード以外のスポーツカードなどでも実験に成功しています。
特にスポーツカードはデザインや箔押し加工で名前の記述があるためゲームカードよりもさらにスキャンがしやすいようで、Toppsの40パック入りBOXをスキャンすると1枚ごとに各カードの名前を特定することができます。
遊戯王も下の画像のように名前と確認することができます。
カード市場に与える影響
このサービスの開始によって高額で取引されている比較的古い未開封のBOX詐欺を防止することが可能です。
一昨年、米Youtuberローガン・ポールが当時約4億円で購入したポケモンカード初版BOXに偽物がぎっしりと詰まっていた事件が話題を集めましたが、このような高額な製品の取引をより安全に行うことが可能になりました。
また、この技術が登場したことにより、完全未開封のBOX内にある最高の状態のカード=完全な状態のカードとして、これまで鑑定され最高と判断されていたカードの上位に位置づけられる可能性があります。
その反対に鑑定され、高額なカードが封入されていないことが判明してしまったBOXには価値低下の恐れがあります。未開封のBOXは「現存数が少ない」以外にも、「価値のあるカードが入っているかもしれない」など様々な要素でその価値を保っているためです。ただし、真の未開封BOXであるという確証は取引時の安心感にもつながるため、今後のオークション相場にどのような影響を与えるかは未知数です。
鑑定に出す方法と値段
現在サービスの開始前ですが、次のような流れになるようです。
【1】商品内容をメールでサービス提供者に知らせる。正式な見積もり、発送方法、支払い用リンクが送られてくることを待つ。
【2】支払いと製品を送付する。CTスキャンファイルとビューアプログラムのダウンロードリンクを受け取るまで数日待つ。
【3】データがダウンロードされたことが確認されると、送った製品が返送される。
値段は65ドル(約1万円)からとなっており、少し高額ですが、超高レートで取引されるBOXをお持ちの方にはお手頃な価格かもしれません。
スキャン画像
Garbodor VMAX(ポケモンカード)
Charizard(ポケモンカード)
Venusaur(ポケモンカード)
TWILIGHT MASQUERADE BOOSTER BOX (36x PACKS)とZapdos(ポケモンカード)
Enel(ワンピースカード)
LORCANA
Baseball Card
スキャンが難しいのは古いMTGカード
同社のテストによると、マジック:ザ・ギャザリングの古いカードは、CTスキャンを使用して画像化することが難しいようです。
カードの層、接着剤、カードストックの芯、そしてインクの線まで特徴付けることができますが、カード表面のインクを意味のある方法で特徴付けることはできません。
例えば下の画像は、カードの角だけを9μmの解像度でスキャンしたもので、信じられないほど詳細ですが、箔のないカードを識別するのに必要な程度ではないそうです。
しかし、近年の新しいフォイルベースのカードは画像化可能です。同社はブラック・ロータスを見つけるために調査を続けるとしています。
スキャンの様子
動画が表示されない場合はこちら(外部サイト/Youtube)から閲覧可能です。
source : https://industrialinspection.com/
source : https://www.pokeguardian.com/1959559_new-service-uses-ct-scanning-to-identify-holographic-cards-in-pokemon-booster-packs